2014年8月27日水曜日

子供がいない私が子供のいる友人に学んだ子育てに必要な5つのこと


先日、フィリピンから私の友人が東京に遊びにきました。
彼女とは2001年からの付き合いで、何でも話ができる外国人の友人の一人です。
とても仲がいいからこそ、突っ込んだ話もできるし、センシティブな話題も話すことができます。

その友人には6歳の娘がいて、彼女も一緒に日本に来ていました。
彼女は6歳の割には、考えがしっかりしていて、英語は完全に自分を表現できるくらいに使え、旅行にありがちな「しんどい」とか「いやだ」とかも言わず、大人と一緒に行動します。

そしてなにより、とても人懐っこくフレンドリーです。
母親が誘拐を心配するくらい、誰にでもついていくそうです。


母娘ともに日本以外にない東京ディズニーシーに行きたいということで、私が引率していきました。

彼女は、率先して色んな乗り物に乗りたがるし、長い距離を歩くのも苦ではないようだし、長い待ち時間も静かにおとなしく待ちます。

パーク内のマーメイドラグーンには、プレイグラウンドという、よくデパートにある広い遊び場と同じような場所があります。
そこには、おもちゃが沢山置いてあって、子どもたちが取り合いをしたり、一緒に使ったりして遊んでいる間、大人たちは周りで休憩できる場所です。

そこで彼女は、英語しか話せないにもかかわらず、積極的に子供たちの輪の中に入っていき、コミュニケーションを取りながら、一緒に楽しそうに遊んでいます。

時々、「How do you say xxxxx in Japanese?」と私に聞いてきます。
おそらく彼女の中で英語でうまく伝わらなかったら、日本語で伝えようと思うのでしょう。
私は簡単な日本語を教えると、また嬉々として輪の中に戻っていきます。


友人と話せる時間があったので、どうやってこんな高いコミュニケーション能力をもった、非常に大人しい子どもを育てることができるのか、尋ねてみました。

その話がとても学びのあるものだったので、以下の5つにまとめてみます。


1.許容する(Be patient)

一番最初に言われたのがこれです。
子どもを頭ごなしに叱り、命令するのではなく、許容するということ。

例えば、パーク内では、何時頃にここでファストパスを取って、何時にここでご飯を食べて、何時にショーが始まるから何時頃に出てって計画すると思います。

でもそれって大人の事情で、彼女には関係なく、彼女は目に入るもの、興味をひくところへ行き、ライドに並びます。

私は、「も~~!」ってなるのですが、母親である友人はならないのです。
逆にYou have to be patient when you have a child.とたしなめられました。

他の子どものいる家族を見ると、お母さんが手をひっぱったり、中にはわがままを言う子供をたたいている親も見かけました。
夢の国でそれはないだろう、と思いましたが、結構みかけます。


親に許容されるというのは、子どもとしては自己肯定感が身に付くと思います。
また、行動した結果は自分が原因だと感じると、 責任感も身に付きます。

自己肯定感や責任感があると、知らない人たちの輪にも入りやすいし、フレンドリーでいられます。

親にとっては、非常に大人ぶりを試される部分ではありますが、許容する、というのは子供を育てるうえで大事なファクターだと思います。


2.対等な立場で理由を聞く(Are you sure?)

彼女は時々わがままをいいます。
たとえば、お土産売り場で「このペンが欲しい!」というと、友人は、「今この色のペン持ってるよね?」とか「近所でも買えるわよ」、「どうして欲しいの?」と矢継ぎ早に彼女に質問します。

彼女はペンがなぜ欲しいのか、母親にプレゼンをし、説得しようとします。
もちろん説得できず、逆に説得されてしまえば、彼女は買うことを諦めます。
泣いたりわめいたりするのではなく、淡々と諦めます。

これは、頭ごなしに否定したり、親の指示に従わせたりせずに、子供を一人の人間として扱い育てる、という大きな意味を持つと思います。

何があっても Are you really sure? と聞いて娘に考えさせるのは、大人からすると時間を取られるし、面倒臭いことなのですが、一人の人間として扱うというのは、子供の「自分で考える力」を養うのにとてもいい方法だと思います。


3.他人に預ける(Hire nanny)

彼女は時々ベビーシッターに預けられるそうです。
親が仕事で忙しいときでなくても、例えば夫婦で食事に行くときにはベビーシッターに預けるそうです。

友人は明確には言っていませんでしたが、この他人に預けるという機会が彼女のコミュニケーション能力の高さと、自己抑制力を育んでいるのではないかと思います。

よく、早く保育園に預けたほうが社交性が身に付く、とか、 早く一人で寝るようにすると独立心が高まるなどといいますが、まさにそのとおりです。

子供が小さいときは、親が四六時中いないといけないという、いわゆる固定観念が否定されている研究結果も耳にします。

子供にとって、他人に預けられるのは「かわいそうなこと」なのかもしれませんが、必要なことであると感じました。


4.連れまわす(Go abroad)

彼女は、1~2歳の頃から毎年海外旅行に連れて行ってもらっているそうです。
なので旅行に慣れているから、電車の中でぐずったり、長い時間歩いても泣いたりしないのかもしれません。

小さい頃に海外に行き、見識を広めるというのは素晴らしいことだと思います。

彼女も今回日本に来て、I wanna live in Japan in the future! と言っていました。
留学で来たら?というと、勉強はしたくないと言っていましたが・・


5.多様性に触れる(Meet many kinds of people)

彼女の保育園には、沢山の韓国人や日本人(移民であったり、駐在であったり)がいるそうです。
彼らは往々にして英語はあまり話せないらしく、もちろんフィリピン母語も話せません。

しかし、彼女は彼らと友達であり、一緒に遊ぶ仲間であるそうです。

子供の社会って言葉ではないんですね。大人になるとなぜそれを忘れてしまうんだろう、と思いますが、色んな人種がいても、考えが違う人がいてもいいんですよね。

そういう多様性あふれる世界に小さい頃からいると、それが当たり前になり、大人になってからそれが大きな財産になると思います。

海外に行く不安や、外国人と話す不安、違う考えの人に傷つけられる不安が壁となり、積極的に行動できない大人って私も含めて沢山いると思います。

でもそういうリミッターが最初から外れていると、潜在能力が大きく発揮できるような気がします。



以上、私が感じた5つのことです。

普段日本にいると、日本人とばかり触れあるので、こういう機会を与えてくれた友人にはとても感謝していますし、学生時代に引き合わせてくれた様々な人に感謝しています。

私の妻は、6歳の子があんな流暢に英語をしゃべるのか!、ということにまず驚いていました笑。

確かに6歳の外国人とも英語で話せるから、この気づきがあったわけで、改めて英語が秘めるパワーというか重要性も感じました。


本内容は個人の見解であり、所属する企業を代表するものではありません。

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